チームレジェンド 心閉ざされし者の物語 第九話「ユウナとラウル」

第九話

その日の夜。
本来ならいつもテラスへと行くのだが……。
ラウル「あんな女と共にするのは許さんぞ」
ラウルが体の制御をしているため、ベッドで寝ているしかなかった。仕方なくレオは寝ることにした。

そして一時間後。

ラウル「……うん?」
ラウルは体を起こす。すると向かい側に寝ていたユウナが見当たらない。
ふと、外を見た。
ラウル「……。」
まるで引き寄せられるようにテラスへふらっと出た。綺麗な満月が出ていた。
ラウル「……こんなにも、月というのは綺麗なのか」
ユウナ「でしょ?」
ラウル「っ!!お前は…!」
ユウナが後ろから出てきた。
ユウナ「私が居ないから気になったの?」
ラウル「……ハァ?俺がお前の事を心配すると思ったか。言っておくが、お前は俺らにとって邪魔なんだ」
ユウナ「私にとっては初めて好意を抱いてくれた人なのにな」
ラウル「どういう意味だ」
ユウナ「私、女王様だから、恋愛になるとどうしてもそのハードルが…ね。」
ラウル「…身分の違いのことか」
ユウナ「私、身分関係無しに恋人になってくれる人探してるのよ。姿形ではなく、心を好きになってくれる人。」
ラウル「夢がでかすぎるな。だから彼氏とか出来ないんじゃないか」
ユウナ「レオはきっと私を好きになってくれるわ。」
ラウル「…どうだか」
彼はこのとき嫉妬に似た感情を抱いていた。
ラウル「かなわん夢なんか捨てろ。」
ユウナ「もしかして、嫉妬してる?」
ラウル「……!?な、なぜ分かった!?」
ユウナ「ふふっ」
ラウル「……チッ」
ユウナ「貴方って図星だと言っちゃうのね♪」
こうして、ユウナのペースにまんまとはまっていったラウルあった。


第九話  完