チームレジェンド 心閉ざされし者の物語 第三話「クリスタルの伝説と恋」

第三話

……この世界には「火」「水」「雷」「地」「風」「天」「無」「光」「闇」「源」「影」の属性が存在する。それぞれ火と水、雷と地、風と天、光と闇、源と影…それぞれが対立し、無は中立の存在。

世界がまだ暗黒の宇宙だった頃、そこに創造主が現れ、『アースディア』と『アクアディア』を作り、4つのクリスタルが生み出された。
『赤のクリスタル』は心の象徴。
『青のクリスタル』は意志の象徴。
『黄のクリスタル』は知識の象徴。
『緑のクリスタル』は能力の象徴。
4つのクリスタルが生まれたことによって、古代の人々は喜怒哀楽の感情が生まれ、物事に対しての意欲や決意が生まれ、あらゆる知識で世界を切り開き、人々が持ち、その力を振るう固有の力……『フォース』が産まれた。
だがしかし。それを黙ってみているわけには行かないと行動したものがあった。暗黒の王である。
暗黒の王は4つのクリスタルに対し、呪いを掛けた。
人々は心を無くし、動けなくなり、知識も忘れ、フォースの力も薄れていった。
しかし、それに立ち向かう4人の勇者たちがいた。

この世界の正義を信じる者。
自由を愛する者。
勇気奮い立たせる者。
世界の救いを祈る者。

その者たちにそれぞれ「闇」「光」「源」「影」この世界を司る4つの力をさずけた。そして激闘の末、暗黒の王を封印することに成功した。
そして、彼らにこう伝えた。
「この世界を救いし4人の勇者よ、また、暗黒神の復活の時が再び来たときは『水晶の力』を持ちし者と共に私の元へ……何世代にもの子供達に語り継ぐのです。例え、復活していなくとも…………」

そして、4人の勇者はいつまでも語り継がれるのであった………………



ユウナ「って言うこと。」
レオは頭が混乱していた。
レオ「…つまり、その『クリスタル』があるから皆は人間らしいのか……俺は…不完全なのか……。」
全員「……。」
かなり重い空気になってしまったようだ。
ユウナ「あ、いっけなーい。もうお昼の時間ね。今日は新しいメンバーも加わったし、歓迎会でも開こうか?」
リア「ユウ姉、ナイスアイディア!」
ユウナ「よーし、張り切っちゃうわよ♪」
こうして半ば強制的になってしまったが、歓迎会が行われたのであった……。

その日の夜。みんなが寝静まった頃、レオはギルドへ抜け出し、とある場所へ来ていた。そこは広い庭みたいになっていた。
レオにとって、お気に入りの場所。密かに行くための魔法を独自に覚えていたのだ。
レオ「……♪」
レオは小さい頃から自然豊かなこの庭が好きだった。そこで時間を忘れて座っているのが唯一の癒しだった。ここに来ると嫌なこともすっかり忘れてしまうのだ。
ユウナ「また一人で、もう。」
レオ「…ユ、ユウナ!?」
ユウナ「あのくらいの魔術、簡単よ。」
隣に座ってきた。思わず目を逸らす。
ユウナ「ここって良いところね!リラックスにはもってこい、ね。」
レオ「……。」
ユウナは急にこんな質問してきた。
ユウナ「貴方って、彼女とか、いる?」
レオ「……いない」
ユウナ「そっか……」
レオ「どうして」
ユウナ「聞いてみただけ」
レオ「……そうか」
レオは何だか悲しい気持ちになった。
ユウナ「レオって、どんな女性が好み?」
レオ「そうだな……明るくて…優しくて…こんな俺でも受け入れてくれる女性、かな……」
ユウナ「……私じゃ、駄目?」
ぼそっと呟いた。
レオ「…何か、言ったか?」
ユウナ「ううん。何でもない。」
ユウナはニコッと笑ってみせたが、心の中では、
ユウナ(聞いて、いなかったんだ……。)
と、落ち込んでいた。でも、そこで諦める彼女ではない。
ユウナ(そんなことぐらいで落ち込んじゃ駄目よ私!ちゃんと気づかせるのよ。って、なんでそう思っちゃったんだろ。)
レオはこんな質問してみた。
レオ「…ユウナ……俺、ずっと悩んでいることがあって……」
ユウナ「悩み事?」
レオ「……恋って何?」
ユウナ「……へっ!?」
驚いてしまった。まさか、恋を知らないとは思っていなかったから。
レオ「…真面目に聞いている」
ユウナ「う、うーんと……」
このときから確信していた。
ユウナ(レオは恋を知らない……じゃあ、私好みの彼氏に……げふんげふん。もう、私ったらさっきから可笑しい……)
レオ「…ユウナ?」
ユウナ「ん、ああ!え、えっとね、恋っていうのは…」
レオ「……うん」
ユウナ「その人といるとドキドキしたり、逆に居なかったりすると寂しくなったり、あれ、なんか変だな?それは恋しなくてもするか?」
レオ「……。」
ユウナ「あ、そうだ。恋はその人に会いたい、とか好きだ、とかこの人と2人でもっとずっと一緒にいたいとか、親友以上の関係になりたいなとかかな。」
レオ「……」
レオには思い当たることが一つあった。
レオ(俺、ユウナと一緒に居たがってるのか……?ユウナと一緒に居る時は本当に嬉しい。せめてもっとこんな時間があったらいいなとか思ってる…でも、やっぱり少ししか一緒になれないし、叶わない、よな…。でも、やっぱり、一緒にいたい……!)
ユウナ「レオ?」
レオ「…ん?」
ユウナ「呼んでみただけ。」
少しの時間、静寂が続いた。
ユウナ「そろそろ、行くね。」
レオ「え…?ああ……。」
レオは凄く寂しそうな顔をした。
レオ(そうか……。もう、行っちゃうのか……。あと、少しだけ居たかったな……。)
さすがにユウナもその気持ちに気づいた。
ユウナ「今日から、あの部屋は使えなくなるからね。それで、部屋は2人で一つを共有する形だから、今日から私が使ってる部屋で寝るんだよ?」
レオ「え……ええっ!?」
レオは嬉しいような、驚いたような声を上げた。
ユウナ「行こ?案内するからさ。」
レオ「……。」
レオはユウナに手を引かれる形で戻った。


3話終了。何なんだコレ。次回もお楽しみに!
この小説は「マスター★ランディ」の提供で(ry