チームレジェンド 心閉ざされし者の物語 第四話「嵐の中の出会い」

第四話

ある日のこと。
待ちに待ったレオの初仕事がやって来た。
クロノ「おう、レオ!お待ちかねの初仕事だぜ!」
レオ「…仕事?」
レオは一枚の紙を渡された。そこには今回の内容が記されていた。

レジェンドの皆さんへ
またあの季節になりました。そう!『ドラゴン』の季節なのです!近くにある『始まりの森』にて『ベビードラゴン』を10体討伐してください!お礼は報告の際にお渡しします。

レオ「…そこって、雑魚しかいないはずだが」
クロノ「ちょっと離れた所に『竜の巣窟』があるんだ。この時期になると大量発生するらしいんだ。あと、悪りぃんだけどさ、1人で行ってきてくれるか?みんな手が離せなくてさ。結構の人数がいるのにな。ハハ。」
レオ「…分かった。」
こうしてレオは1人で『始まりの森』へと向かった。


『始まりの森』は主に動物系や植物系モンスターが多いが、それほど強くないので初心者が修行するのにもってこいの場所だ。ごく偶にクロノとバルトが剣の手合わせをしているとか。
さっそく、一匹みつけた。ベビーにしてはそれなりにデカイが。
レオ「……。」
レオは両剣を構えると、一気に走り出した。
「グア!?」
そっちも気づき、高温の炎を吐いた。しかし、レオにはそんなものは当たらない。
レオ「はぁっ!!」
レオは両剣で一閃。見事に急所に当たり、ベビードラゴンはその場でぐったりと横たわった。
レオ「……!!」
仲間のピンチを察したのか、ほかのベビードラゴンたちが集まってきた。
その数、九匹。
レオ「…手間が省けて助かる」
レオは両剣の柄の部分を両手で持つと左右対称にクイッと回した。すると、両剣は見事に2本の剣に別れた。
彼は『両剣士』でもあり、『双剣士』でもあるのだ。しかし実際、一部を除くすべての武器を使いこなす。まさにオールマイティなのだ。
レオ「……っ!!」
レオは一瞬消えたかと思いきや、一匹の背後に周り、強力な斬撃を食らわせた。正確にはあまりにも早すぎて見えなかっただけである。
「グガアアッ!?」
他の仲間も驚いているようだ。
レオ「まとめて散れ!!」
剣身が風をまとっていく。
レオ「神風!双破斬っ!!」
その場で一回転するような形で剣を振った。すると、まとっていた風が刃の形になってドラゴンたちに襲いかかる!!
「グガオオオオッ!!」
強力な風と斬撃に吹き飛ばされ、木に衝突し、その場で動かなくなった。
レオ「…………これで、依頼は達成した、か。」
一息ついたその時、空から雨がポツリと降ってきた。
レオ「この雲行き……雨宿りしたほうがいいか」
レオはたまたま近くにあった小屋へ入っていった。

小屋のドアを開け、足を踏み入れた、その時。
レオ(誰か……居る)
すぐに誰かいる気配がした。場に緊張が走った。
レオ「…誰かいるのか?俺は敵じゃない。いるなら返事をしてくれ。」
しばらくすると、
?「本当に……敵じゃないんやな」
奥から一人の少女が現れた。
?「本当に、本当に、違うんやな?信じていいんやな?」
レオ「……ああ」
?「なら、よかったぁ〜!!」
どうやら、警戒心を解いてくれたようだ。
マスター「ウチは『マスター』っていうよ。こう見えても、15なんやぞ!」
レオ「…そこまで聞いてない」
マスター「あるぇー?そうだったかいな」
レオ「…変な喋り方だな」
マスター「これがウチのランゲージスタイルってやつ?」
レオ「……ハァ」
何なんだコイツ、と思ったその時!!
マスター「きゃぁ!?」
近くに雷が落ちたようだ。マスターは思わずレオに抱きついた。
マスター「あ、ごめーん。うう…今のは怖かったなぁ……。」
レオはこの時思った。今は頼れる人が自分しか居ないと。そしてなぜだか分からなかったが、守ってあげなければ、と。
レオ「…怖いならそのままでいい」
マスター「え?でも、動きづらいやろうし……。」
レオ「…俺は大丈夫」
マスター「う、うん。じゃあ、そうする。」
マスターはひしとレオの腕にしがみついた。それにしてもさっきから感じている妙な感覚…。
レオ(何でだろう……さっきから、マスターから俺と同じ波動を感じる……)


4話終了。次回もお楽しみに!