チームレジェンド 心閉ざされし者の物語 第六話「レオ、回想にて」

第六話  レオside

そうか。思い出した。

俺は7才の誕生日、不治の病に冒された。

ひどく嘆き、悲しんだ母親は俺を抱えてあの『紫クリスタル』がある湖の祭壇にやって来た。

「どうか、この子から病からお救いください」

すると、どこからともなく1人の女の子が現れた。

条件と引換えに俺から病を消し去ってくれるという。

「その子に世界の守り手の証である『水晶の力』を宿らせること」

それが、条件だった。

『水晶の力』。

あの伝説に記された世界を救いへと導く存在。

俺はその力をさずけられ、命を救われた。

その、命を救ってくれた女の子は

『マスター・インフィア』

そう、言っていた。

何年も何年もずっと忘れないでいたあの、名前。

その女の子が今、ここに居る。

「やっと会えた」

マスターの言葉を返すように俺は微笑みながらこう言っていた。

「…俺も……俺も会いたかった」

そして急に視界が暗くなり、しだいに意識が薄れていった――――――


六話終了。 次回もお楽しみに